活動紹介

第2回アジア昆虫食シンポジウム開催報告

環境・食料ユニット 昆虫科学研究グループの錢琨准教授による企画のもと、2023年11月24日に九州大学I2CNERホールにおいて、第2回アジア昆虫食シンポジウムを開催しました。
本シンポジウムシリーズは、昨年度に九州大学アジア・オセアニア研究教育機構がアジア各国での昆虫食利用や文化・産業についての情報を収集・発信し、昆虫食に関する国際的研究開発ネットワーク構築を目的として開催を始めたものであり、今年度は「社会変革を先導する環境・食料リサーチコアの創出を目指したFS研究」の一環として、環境・食料ユニットと昆虫科学・新産業創生センターとの共催の形で実施しました。

今回は、タイ、ラオス、ベトナム、フランス、日本における大学や研究機関・企業・NPOから、昆虫食の研究開発の最前線に立つ7名の方々を九州大学に招待し、各国・業界における昆虫食の最新の動向について講演していただきました。また、シンポジウムの最後に九州大学の昆虫食研究と最新の取り組みについても報告しました。

■セッション1:アジアの昆虫食研究
フランス国立開発研究所MivegecユニットのEric Deharo主任研究員がラオスでコオロギ養殖の研究について講演し、続いてタイのカセサート大学農業工学部のWasaporn Preteseille Chanput講師がタイでの昆虫食に対する理解と認識、ベトナム国立食品産業研究所のKhuat Thi Thuy上級研究員がベトナムにおける昆虫食の現状と展望について講演し、最後にNPO法人食用昆虫科学研究会の佐伯真二郎理事長がラオスで実施している昆虫養殖の長期フィールド調査について講演を行いました。

■セッション2:日本の昆虫食研究
山口大学農学部の井内良仁教授から昆虫食の機能的特性、京都府立大学大学院生命環境科学研究科の武田征士准教授より農作物と食用昆虫を用いた循環型農業システム、TAKEO株式会社の齋藤健生代表取締役から日本における昆虫食のトレンドとビジネスについて講演していただきました。そして、最後に九州大学における昆虫食の取り組みと研究紹介として、環境・食料ユニット 昆虫科学研究グループリーダーの日下部宜宏教授から昆虫科学・新産業創生センター及び昆虫食科学・昆虫DX研究に関する新しい取り組みを紹介し、同グループメンバーの紙谷聡志准教授から食用カブトムシの養殖と利用について研究報告しました。

最後に九州大学昆虫食商品の代表となるカイコクッキーを含めた記念品を7名の招待講演者に贈呈し、シンポジウムを終了としました。

シンポジウムの後に、主要参加メンバーは懇親会や翌日のエクスカーションに参加し、昆虫食の研究開発、啓発活動及び産業化について幅広い意見交換を行いました。

福田晋 理事副学長/環境・食料ユニットリーダーによる開会挨拶
タイ・カセサート大学Wasaporn Preteseille Chanput講師による講演
日下部宜宏教授/昆虫科学研究グループリーダーから九州大学の昆虫食研究・取り組み紹介
第2回アジア昆虫食シンポジウムにおける招待講演者と主要参加メンバーの集合写真