九州大学未来社会デザイン統括本部シンクタンクユニットデザイン実践グループと医療・健康ユニット未来医療グループは、救急車利用問題をテーマに、学内の多くの部局が参加する研究会を重ね、「総合知」として検討してきました。これは、大学がすべき総合知の実践の一例です。福岡市の約50万件の救急出動データを学生が分析し、救急医療・情報学・経済学・法学・デザイン学を横断する多様なアプローチから論点を構造化。さらにサイエンスカフェ等での市民との共同作業から生まれた数十のアイデアを8領域に整理しました。分析からは、院外心停止後の生存率・社会復帰率が全国上位という医療の質の高さ、市民AED・CPR実施率の高さに表れる地域に関わる市民の厚み、そして出動件数が増加するなかで高い稼働密度を支え続ける行政・消防の姿という、福岡市の構造的な強みなどが見えてきました。決定的な解決策(キラーソリューション)を示す段階にはまだありませんが、論点とアプローチの整理を終え、福岡の可能性を抽出することができました。今後は企業等との連携も視野に、具体的な解決方法の検討及び来年度の教育プログラム化へと進みます。
本活動の成果の一部を、9月12日に九州大学病院キャンパスで開催される福岡救急医学会で学生・教員が発表します。レポート(全170ページ/全8章+資料編・予定)の詳細やデータ集は特設ウェブサイト(https://ogata-design-office.jp/99/)をご覧ください。
本活動は、未来社会デザイン統括本部シンクタンクユニットデザイン実践グループ/医療・健康ユニット未来医療グループを中心に、学内複数部局による研究会、学生による約50万件データの分析、サイエンスカフェ等での市民との対話・共創を通じて行われました。