環境・食料ユニットでは、令和6年度 第8回海洋プラスチック研究会を下記のとおり開催します。
本研究会は海洋プラスチック研究に関する情報交換を目的としたもので、学内の研究者や学生を主な対象としておりますが、参加者の紹介を得れば学外の方でも参加可能です。海洋プラスチックだけでなく、プラスチック廃棄物やバイオプラスチック生成などの分野の方、地球科学に興味のある方や高分子科学・環境毒性学からのアプローチに加えて、社会科学的観点から見た環境問題にも興味を持つ研究者など幅広い分野からの参加をお待ちしています。もちろん、興味があるだけ、話を聴きたいだけの方も歓迎します。ぜひお気軽にお立ち寄りください。
<プログラム>
15:00~16:00
講師:加 三千宣 教授(愛媛大学・沿岸環境科学研究センター)
演題:人新世の始まりはいつか?ー別府湾と世界の地層から解く
要旨:“私たちは、完新世にいるのではない。人新世にいるのだ”
人類によるオゾン層破壊の危険性を見抜いてノーベル賞を受賞したポール・ク
ルッツェン博士が発したこの言葉は、地球環境が大きく変わろうとする現在、益々その重みを増している。人新世は地質時代の一つで、ヒトがこの70年間の間にこれまでの地球の状態を逸脱させるような変化を引き起こしたことで到来した時代で、ヒトが支配する新たな地球の時代を指す。地質学的には未だ公に定義されていない時代であるが、ヒトがあまりにも地球を大きく変えてしまったので、今の時代を完新世と呼ぶにはふさわしくないのではないか、地質時代として人新世を正式に認定すべきではないかといったことが今国際的に議論されている。日本において人新世のサイエンスに関して様々な本が出版されているものの、国際地質科学連合において正式な手続きを経て地質時代としての人新世の正当性を科学的に評価してきたAnthropocene Working Groupの解説はまだない。人新世の科学的根拠を示すことは、社会的にも大きな意義がある。「私たちが人新世に生きている」というその言葉が持つ本質、すなわち「現在の人類が持続可能でない時代に生きている」ことを人が真に理解することに役立つからである。
そこで本講演では、Anthropocene Working Groupが国際地質科学連合に提出した
人新世の提案書に述べられた人新世の科学的根拠について紹介する。また、その
否認に関わった未解決の問題、「人新世の始まりはいつか」について、別府湾と
世界の地層の証拠に基づいた知見についても紹介する。
16:00~16:30
自由討論
<世話人>
磯辺篤彦 応用力学研究所 教授(環境・食料ユニットサブリーダー)
高原淳 ネガティブエミッションテクノロジー研究センター 特任教授
大嶋雄治 農学研究院 特任教授
岡﨑裕典 理学研究院 教授
倉田哲也 未来社会デザイン統括本部 環境・食料ユニット 学術推進専門員