2025年3月11日(火)に、九州大学未来社会デザイン統括本部(FS本部)が主催する「シンクタンクユニット×医療・健康ユニット連携シンポジウム 〜救急車利用の課題解決から『未来社会学』へ〜」が開催され、学内外から60名以上が参加しました。
FS本部では、2024年4月から「救急車利用の課題・問題を考える」をテーマに、シンクタンクユニットと医療・健康ユニットが連携して勉強会を行ってきました。本プロジェクトは、救急車の適正利用を出発点とし、医療の専門家だけでなく、経済学や情報学など様々な分野の専門家と共に課題解決を目指しています。
今回のシンポジウムは、救急医療の最前線で活躍されている先生方から具体的なお話を伺うとともに、「厄介な社会問題をどう理解するか」「未来社会に何を期待するか」「『未来社会学』とは何か」といったことについても考えることを目的に開催しました。
初めに、シンクタンクユニット尾本リーダーによる開会の挨拶と、シンクタンクユニット尾方サブリーダーによる2024(令和6)年度の勉強会実施報告がありました。
続いて、国立病院機構本部DMAT事務局次長 近藤 久禎氏より、「近年の災害医療対応」と題してご講演いただきました。講演では、阪神淡路大震災をきっかけに整備され始めた災害医療支援体制や、能登半島地震での具体的な支援・復旧対応について説明がありました。災害による死亡や悲劇をいかに低減し、地域社会の存続と復旧をどう実現するかについて論じられました。また、人口減少社会における災害対応や、緊急時と平時の視点についても言及がありました。
次に、九州大学病院救命救急センター長 赤星 朋比古先生が「救急搬送の現状と課題、その解決策は?」と題して講演を行いました。総務省発表の報告書解説や福岡市の救命率などの具体的状況が示されました。また、気候変動による熱中症の増加・重症化が救急搬送困難例の原因になり得ることが指摘されました。一方で、中学校学習指導要領に心肺蘇生法やAEDの使用方法が記載されたことや、#7119(救急電話相談・医療機関案内)の認知度向上が解決の一助になる可能性についても言及しました。
その後のパネルディスカッションでは、国立病院機構本部DMAT事務局次長 近藤 久禎氏、九州大学病院救命救急センター長 赤星 朋比古先生、福岡地域戦略推進協議会(FDC)シニアマネージャー 中島 梨沙氏、FS本部シンクタンクユニットデザインディレクター岡田栄造先生、FS本部医療・健康ユニットメンバー工藤孔梨子先生、岸村顕広先生が登壇し、救急車利用に関わる具体的な課題解決に向けた取組みや、医療・公共サービスの未来をデザインするための研究方法、また、救急現場(平時)や災害現場での搬送問題などについて、会場参加者も交えた活発な意見交換が行われました。
その後、医療・健康ユニット鮎澤サブリーダーよりシンポジウムのまとめが行われ、最後に医療・健康ユニット赤司リーダーより閉会の挨拶があり、盛会のうちに幕を閉じました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。